ははこぐさパーソナルトレーナーの奥山です。
育児や仕事で疲れると、
「肩の周りがバリバリになる」
「肩が痛くて腕が上がらない」
など、肩関節周りの痛みや不調を訴える方がよくいらっしゃいます。
実際にそうした方に詳しくお話を伺ってみると、
「なんとなく肩の辺りが重い」という感想はあるものの、実際に「どのあたりが」「どのように」痛いのか、という点についてははっきり自覚していないケースが多いようです。
肩こりがおこりやすい肩関節の後ろ側や肩甲骨の周りは、身体の背中側にあり自分では見えない部位ですから、「なんとなく重い」という感触はあっても具体的にどの辺が、というイメージがしにくいものです。
さらに肩関節は複雑な構造になっており、どういったメカニズムで動いているのかわかりにくいことも、どこに痛みが出ているのかイメージしにくい原因でしょう。
そこでははこぐさブログでは数回に分けて、
・肩関節はどういうしくみになっているのか
・肩のこりや痛みの原因になるのはどんな筋肉なのか
・腕が上がりにくくなる原因は?
など、肩関節の構造や機能について誰もが疑問に思うポイントを解説していきたいと思います。
今回は初回ですので、「そもそも肩関節とは?」というところを解説していきます。
肩関節の特徴はなんといっても
「動かせる範囲(関節可動域)がとても広く、いろいろな方向に動かせる」
ことです。
自由に大きく動かせる代わりに、他の関節と比べ安定性は不足しており、脱臼しやすい部位でもあります。
股関節や膝関節が脱臼した、という話は聞きませんが、相撲やラグビーなど、激しいコンタクトがあるスポーツで「肩が脱臼した」といったニュースを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ではさっそく、実際に肩関節の構造を確認してみましょう。
まず、下記の画像をご覧ください。右肩を前から見た図になります。
肩関節を構成している「上腕骨」「肩甲骨」はすぐイメージできると思いますが、実は「鎖骨」「胸骨」「肋骨」も広い意味では肩関節(肩関節複合体)に含まれます。
私たちがいわゆる「肩の関節」と呼んでいるのはこの画像にある「肩甲上腕関節」という部分です。上腕骨頭の丸いボールのような部分が、肩甲骨側の受け皿の役割を果たすくぼみ(関節窩)にはまり込んで、関節を構成しています。
しかし肩関節全体の構造はもっと複雑で、下記のような様々な関節が組み合わさって構成されています。
解剖学的関節
①肩甲上腕関節
②肩鎖関節
③胸鎖関節
機能的関節
④肩甲胸郭関節
⑤肩峰下関節
解剖学的関節とは、筋肉や関節包、靭帯などによって結び付けられている一般的な意味での関節のことです。
それに対して機能的関節とは、靭帯などの組織で直接つながってはいませんが、関節としての機能を果たしている部位のことを指します。
特に腕が上がりにくい(=肩関節の挙上に制限が出ている)場合、肩甲上腕関節だけでなく、機能的関節である肩甲胸郭関節の動きが問題になっていることがよくあります。
つまり、肩甲骨がしっかり動かせるか、という点が肩関節のスムーズな動きに大きく関わっているということです。
・・・話が長くなってきましたね。
今回はこのくらいにしましょう!
次回は、肩甲骨のはたらきについてさらに解説します!
※参考文献
川島敏生著(2012)「ぜんぶわかる筋肉・関節の動きとしくみ事典」成美堂出版
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